新たに借りた本

先日図書館から借りてきた、メイ・サートン『夢みつつ深く植えよ』みすず書房は読み切れず、図書館に返却しました。また、借りる機会があるのかどうか。返却した際に借りてきたのが次の二冊です。

多和田葉子『言葉と歩く日記』岩波新書
開高健 『開高健のパリ』集英社

なぜいま日記なのか。

先の武田百合子さんの日記や多和田葉子さんの日記を読み始めています。日記は日々の出来事を綴るものです。日記の書き手は日々の出来事をどう書いているか知りたくなりました。

開高健のパリ』は次の構成になっています。
絵  モーリス・ユトリロ
文  開高健
解説 角田光代
写真 山下郁夫

若かりし開高健がパリで過ごした日々を綴った文章が綴られています。その頃のユトリロの絵は新しいパリを描写しています。それを読んでの角田さんの解説、山下さんの写真が配されています。

その時代、開高健はパリにいて何を考えたのでしょう。そんな問いを解くために、この本を借りました。

言葉と歩く日記 (岩波新書)

言葉と歩く日記 (岩波新書)

 
開高健のパリ

開高健のパリ

  • 作者:開高 健
  • 発売日: 2019/09/05
  • メディア: 単行本
 

 

 

 

 

今日の拾いもの

今日用事の帰りに、五反田のBに立ち寄り、気になる本を物色しました。単行本、新書、文庫のコーナーを一巡して、次の新書と文庫を拾いました。

① 田中優子松岡正剛『日本問答』岩波新書
これは図書館で借りて読んだ本ですが、安かったので購入しました。もう一度読んでもいい充実の対談です。

② 武田百合子『日々雑記』中公文庫
富士日記』同様日記として評価が高く、書棚に一冊あった気がしたのですが、百均でしたので購入しました。

③ 野地秩嘉(のじ つねよし)『高倉健インタヴューズ』小学館文庫
これは前々から買おうと思っていた一冊。探しているときは見つからず、見つかるときは呆気なく。文・構成を野地秩嘉さんが担当しています。

日本問答 (岩波新書)

日本問答 (岩波新書)

 
日日雑記 (中公文庫)

日日雑記 (中公文庫)

 

 

ブログを書き忘れて・・・

昨日7月17日のブログを書き忘れていました。このブログはできるだけ日記風に続けて書こうと思っているのですが、何かを続けるということはそう簡単ではありません。

一行でも書いてしまえばいいのに、その書き出しの一歩が踏み出せない。書けるときはスムーズに進むのですが、そうでないときは、一行一字に七転八倒、この状態から脱することができなくなります。

その日の出来事を思い起こせばいいものを、それさえもできずその場で立ち止まってしまいます。あれを書こう、これを書こうと思うのですが、やはりダメだ!と自問自答してしまいます。

そういうときは書かなければいいのですが、それができずに、なぜか後ろめたさを感じてしまいます。そこまで考えなくてもいいとは思うのですが ・・・・・ これがいまの私の心境です。

雑誌の読書特集

今月(8月号)の雑誌の特集をみると、次の3誌が読書特集を組んでいました。

①ポパイ
サライ
③クロワッサン

最近では読書特集する雑誌はめずらしいと言っていいでしょう。いままでは読書特集を組んでも、売れない。売れないから読書特集する雑誌が減る。そうした悪循環になっていました。

それが今月はなぜ3誌も読書を特集したのでしょう。

これもまたコロナの影響なのか。自粛要請により、自宅で読書する機会が増えたのか。書店に行ってもいつもより、客数が多い気がしました。

どういう理由であれ、こうしたことは出版業界にとっていいことなのですが、それが今月号だけの一過性で終わらぬよう願うばかりです。

サライ 2020年 08 月号 [雑誌]

サライ 2020年 08 月号 [雑誌]

  • 発売日: 2020/07/09
  • メディア: 雑誌
 

 

荻原魚雷さんの連載

昨日のブログで荻原魚雷(おぎはら ぎょらい)さんの「文壇高円寺」を取り上げました。その他の連載を調べてみると、「文壇高円寺」以外に4つの連載を持っていました。

(1)「文壇高円寺
これは、すでに紹介済みの荻原さんの独自のエッセイで、いままでもずっと読んできました。特に文壇について教えられることが多くありました。

(2)「WEB本の雑誌 街道文学館
各街道にまつわる文学話を書いた内容のようですが、まだ読んでいません。

(3)「クイックジャパンウェブ 半隠居遅報
サブタイトルが「クイックジャーナル カルチャーからニュースを読む」です。これも未読なので、早速読んでみたいと思います。

(4)「毎日新聞 日曜くらぶ 雑誌のハシゴ
これは毎日新聞の日曜版とウェブ版に連載されています。雑誌のハシゴを通していま社会と時代を分析しています。尚、ウェブ版は一部の表示だけで、全文表示されていません。

(5)「フライの雑誌 釣れん文士」
これは釣りの雑誌で、そこに掲載しています。ウェブ化されていないので、どういう内容かわかりません。が、荻原さんの趣味が釣り?とは知りませんでした。

以上の5つが、現在の荻原さんの連載です。(1)から(4)はウェブで読むことができますが、(5)はウェブで読むことができません。

本と怠け者 (ちくま文庫)

本と怠け者 (ちくま文庫)

  • 作者:荻原 魚雷
  • 発売日: 2011/09/07
  • メディア: 文庫
 

 

荻原魚雷さんの「文壇高円寺」

日々ブログ記事をチェックしています。チェックの仕方はまずはてなのアンテナに登録。次に更新日の翌日、それを読み、いい記事であれば、ブログで紹介しています。

ネット情報はご承知の通り玉石混淆です。いい情報もあれば、そうでない情報もあります。その見極めは多くの情報に接して、本物を見分ける眼力をつけるしかありません。

これは情報だけでなく、書き手についても言えることです。有名無名を問わず、さまざまな人がいろいろなことを言います。書き手を見る場合も見極めが必要になります。

とりわけ書き手の場合は、一回読んだだけでは良し悪しが判断できません。一定期間読み続けないと、その真贋を見抜くことができません。

良い書き手に出会うことも、まさに幸運としか言えません。そんな書き手の一人に「文壇高円寺」というブログを公開している荻原魚雷さんがいます。

今回のブログ記事「びりだらびりだら」では富士正晴さんを取り上げ、次のように言っています。実に上手いエッセイを書いています。

 富士正晴は古典を読みながら新聞の切り抜きをする。時勢に流されず、ゆっくりものを考える。
 すぐに答えを出すことが正解ではない。正解がないという答えもある。

いい書き手は書いたものを通して、新しい分野や人間(ひと)とのつながりを生み出してくれます。またいい読み手は読むことを通して、その人の視野を広く深くしてくれます。

今回紹介の「文壇高円寺」の「びりだらびりだら」全文をぜひ一読して下さい。いい書き手による、いいエッセイとは何かを実感できます。それ以外も一読の価値ありですのでお読み下さい。