北條一浩の「高原書店が遺したもの」

小田光雄
出版・読書メモランダム
出版と近代出版文化史をめぐるブログ

10.『東京人』(9月号)に北條一浩の「高原書店が遺したもの」というサブタイトルの「ダム湖のような古書店があった」が6ページにわたり、写真を含め、掲載されている。
 リードは次のようなものである。
 「2019年5月8日。
 町田の古書店高原書店が閉店を発表した。書店閉店のニュースが多い昨今でも同店のクローズは最大級の衝撃をもって受け止められたと思う。
 高原書店はなぜあれほど大きく拡がり、人々を魅了したのだろうか。
 この稀有な存在を忘れないためにも、高原書店が遺したものについて考えてみたい。」

東京人 2019年 09 月号 [雑誌]

東京人 2019年 09 月号 [雑誌]

 
古本屋散策

古本屋散策

 

 

これからの企業が「勝つ」条件と文化

 8月29日付日経新聞 本社コメンテーター中山淳史さんが、<「勝利の文化」が変える経営>という見出しで記事を書いています。

 その中からこれからの企業が今後「勝つ」条件とは何かを提案しています。

 それは学習するスピード、エコシステム、リアルとデジタルのハイブリッド、想像力、レジリエンス(回復力)での競争力だと言っています。(ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)「2020年代の勝利をめざして」と題する報告書より)

 また、企業文化も重要と言っています。

企業は変化を積極的に取り込む文化があるかどうかを試されている。

文化が脚光を浴び始めたのは変動性、不確実性、複雑性、曖昧性を指す「VUCA」の時代だからだろうか。おそらくそれだけでない。文化にはチームの勝ち負けや企業の永続性を左右する普遍的な価値や理由がひそむ。いくつかの組織が改めて、そこに気がつきつつあるということではないか。

詩人の肖像⑦中村稔

 8月31日付日本経済新聞掲載の「詩人の肖像 ⑦」では中村稔さんを取り上げていました。見出しは<曇りなく歴史を見つめる>。

 そして、こんな一節を紹介しています。

言葉は、言葉が語ることが真実に反していても、くりかえされ/くりかえされて歳月を経ると人は真実を見失い、/虚構を信じることがある。言葉は凶器をなりえるのだ。

私の昭和史

私の昭和史

 ※ 以降 改行時一字下げ

世界最高の図書館 ヘルシンキ中央図書館「Oodi」

世界最高の図書館に選ばれたヘルシンキ中央図書館「Oodi」、ゲームや3Dプリントもできてあまりにもレベルが高すぎる - GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20190828-helsinki-central-library-oodi/

ヘルシンキ中央図書館「Oodi」の全貌を見てもらうと、その凄さに驚きます。こういう図書館があれば、毎日図書館通いをするでしょう。とにかく、最高の図書館。デジタル時代の理想の図書館と言っても過言ではありません。

詩人の肖像⑥小池昌代

8月24日付日本経済新聞掲載の「詩人の肖像 ⑥」では小池昌代さんを取り上げていました。見出しは<自らを解き放ち 詩と飛翔>。

どんな詩なのか。最新詩集『赤牛と質量』(思潮社)から次の節が引用されています。

「何を惜しんでいるのか/目を見開き/ここに残る/ふてぶてしい肉体を引き受けなさい/燃え尽きるまで/塵となるまで」(「香水瓶」)

赤牛と質量

赤牛と質量

小池さんの写真も紙面に掲載されていますが、いつのまにかグレーヘアになっていました。

雑誌の読書特集

ようやく暑い夏が終わり ・・・・・ まだまだ残暑が続きそうですが ・・・・・ それでも、今日のような雨が降って、涼しい朝はほっとします。

今日は次の雑誌を紹介します。

一冊はBRUTUS特別編集「危険な読書」シリーズ3冊分を総まとめ、『合本 危険な読書』(マガジンハウス)。

もう一冊は『&Premium 2019年10月号』(マガジンハウス)。「 あの人が、もう一度読みたい本。 」(マガジンハウス)。

BRUTUS特別編集 合本 危険な読書(マガジンハウスムック)

BRUTUS特別編集 合本 危険な読書(マガジンハウスムック)

最近は特に雑誌の読書案内が減っています。とりわけ男性対象の雑誌は減り、女性誌で本の特集で取り上げることの方が多くなっています。もちろん、これもメディアの多様化と読者の分散化によることは言うまでもありません。

そんな中で、今回のこの2冊、『危険な読書』を読み始めたばかりですが、大いに期待しています。久々に購入した雑誌なので、じっくりと読みたいと思っています。

これを書き終えると、また夏の、猛暑の陽射しが部屋に射し込んで来ました。今日もまた暑い一日になりそうです。

『生きながらえる術(すべ)』鷲田清一(講談社)

この本は鷲田清一さんが考えた生きながらえる生活術についてまとめた本です。いくつも付箋を付けたなかで、これはメモしておこうと思った箇所がいくつもありました。

生きながらえる術

生きながらえる術

 

例えば、そのなかのひとつは次の箇所です。鷲田さんは宮本常一さんの報告の中から、次の箇所を引用しています。

あとから来たものが田の家の石垣をつくとき、やっぱり粗末なことはできないものである。前に仕事に来たものがザツな仕事をしておくと、こちらもついザツな仕事をする。・・・・・  結局いい仕事をしておけば、それは自分ばかりでなく、あとから来るものも、その気持ちを受けついでくれるものだ。

(『庶民の発見』講談社学術文庫

宮本は、石工のこの言葉に、誰にも褒められなくとも命じられなくとも「自らが自らに命令することのできる尊さ」を見た。職人の矜持とは、約(つづ)めればそういうことなのだろう。p106 

 鷲田さんの本を読んだあとは、宮本さんの本をじっくり読んでみたくなりました。

庶民の発見 (講談社学術文庫)

庶民の発見 (講談社学術文庫)

詩人の肖像 ⑤ 高橋陸郎

8月17日付日本経済新聞掲載の「詩人の肖像 ⑤」は高橋睦郎さんを取り上げていました。見出しは<私を無にし古典の声を聞く>です。詳しくは同紙をご覧下さい。

未来者たちに

未来者たちに

 

ブックオフが経営危機から突然「V字回復」へ