詩人古本屋 天野忠さん

これも高橋輝次さんの『古本が古本を呼ぶ』(青弓社)からの引用です。「詩人古本屋」というタイトルの天野忠さんについてのエッセイの冒頭です。

京都のユニークな詩人、故天野忠氏の『我が感傷的アンソロジイ』(書肆山田、1988年)には、氏が二年間ほどリアル書店という古本屋を開業していたころのことが生き生きと描かれていて、おもしろい。この小さな店には、田中克己や天野隆一、城小碓といった多くの詩人連中や矢野峰人も出入りしていたことが書かれている。詩人にはなんとなく古本屋の主がよく似合うな、と思った。(ちなみにこの本は、おもにマイナーで忘れられがちな旧知の詩人たちのおもかげとその詩を取り上げ、天野氏との交流体験を振り返りながら繊細で深みのある文章で懐かしくつづったもので、氏の良質のエッセイ集のなかでも最高傑作の一つに数えられると思う)。p187

「詩人にはなんとなく古本屋の主がよく似合うな」。

これまた同感です。『我が感傷的アンソロジイ』を読みたいと思います。アマゾン、神保町には在庫なし。スーパー源氏で一冊見つけましたが、値段をみると、なんと18900円!でした。

古本が古本を呼ぶ―編集者の書棚      関西古本探検―知られざる著者・出版社との出会い      
 
左から高橋輝次『古本が古本を呼ぶ』『関西古本探検』『ぼくの古本探検記』