自分を閉じずに

朝日新聞の「よみたい古典」鷲田清一さんと読む「パンセ」(下)になるほど!の箇所がありましたのでメモしました。

 普通の本だと、9割分らないと怒りますよね。哲学の本は、最初に読むと2割も分らない。でも生涯読める。読むたびに発見がある。歌舞伎の見えと同じ。意味は分らないのに文章に心をわしづかみされる。そう簡単にわからへんで、という点が大事なんだと思います。その方が人生楽しいでしょ? いつもでも自分を閉じんでいられるじゃないですか

何がいいか。最後の一文、自分を閉じずにいられることがいい。歳を重ねると、次第にというよりも、いつの間にか自分を閉じていく傾向があります。まだまだ人生これからと開いておくこと。それが大事な気がします。閉じた自分は頑固になり、開いた自分は柔和になります。

パンセ (中公文庫)