新聞社が生き残れる道

本日の朝日新聞の「インタビュー&ルポ」に、経営破綻した新聞社ばかり75紙も手中に収めたデジタル・ファースト・メディア社のCEOジョン・ペイトン氏のインタビュー記事が掲載されていました。

ジョン・ペイトン氏の新聞社では「紙育ちの連中に耳を貸すな。紙は後回し」という徹底した意識改革を行っていました。またデジタル最優先の新聞社では次のような厳しい現状認識がありました。

「 忙しすぎるという声は出ました。しかし、いつの時代も革新的な道具が記者の働き方を進化させてきた。タイプライターしかり、ワープロしかり、パソコンしかり、道具に不平を言う記者はどの時代もいます。いま私たちはネットやツイッターフェイスブックによる産業革命のただ中にいる。ジャーナリス存続のためには避けて通れません」

そして、最後の質問に対して、こう答えていたのが、一番印象的でした。

「(報道サイトの有料化には懐疑的といいつつ)、サイトは無料にして何の壁も設けず、編集会議ですらネットで公開して、徹底的に読者を自陣に呼び込むことが大切です。しかも無料のニュースサイトだけではまったく不十分。記者全員がもれなくニュースブログを書き、ツイッターで発信し、フェイスブックを更新する。紙の新聞には鋭い解説と読みごたえのあるコラムを載せる。それ以外に新聞社が生き残れる道はありません」

ジョン・ペイトン氏は大いに期待されている半面、ありきたりなネット戦略だと言われ、ハゲタカ投資家だとも呼ばれているそうです。しかし、この二つの指摘は新聞社の歩むべき道だと思いますが、どうでしょう。

MEMO-01
1. これは佐々木俊尚さんのいう新しい「キュレーション・ジャーナリズムでしょう。
2. キュレーションとはソーシャルメディアなどに投げ込まれた情報を評価し、意味を付与、それを広く人々に伝達すること。
3. これまでのような一次情報のスキルだけでなく、今後のジャーナリズムは、ソーシャルメディアなどの情報のスキルを身につけること。
4. そのためにはいまある道具・・・ブログ、ツイッターフェイスブックなどを活用し、良質な情報を読者に伝達すること。
5. これがデジタル時代のジャーナリズムです。

MEMO-02

「リブログ」が生み出す巨大なチャンスとは、 Tumblrの26歳創業者が来日

「キュレーターは、他人が作ったコンテンツをピックアップしていながらも、その組み合わせや見せ方、切り口などで自己を表現している。その表現をそのさらに外側の人たち、オーディエンス層が楽しんで眺めている」とDavid氏は言う。キュレーターがピックアップするのは、なにも高名なジャーナリストやレディ・ガガのようなアーティストのコンテンツばかりではない。一般の人たちが作ったコンテンツを集めて、その選択において自分を表現しているのだ。

情報量は増加の一途をたどっています。情報をきちんと仕分けをし、その中から何が必要で何が不要か、厳しく選択する。選択、それもひとつの自己表現です。次に選択したものをどう結びつけるか。その関連づけが新しい何かを生み出します。