清水 徹『マラルメの“書物”』のこと

昨日のブログを書いている時に検索をしていると、清水 徹著『マラルメの“書物” 』(水声文庫)を見つけました。この本はまったくマークをしていませんでしたし、他のブログでも、おそらく取り上げていませんでした。

誰もノーマーク?と思ったら、堀江敏幸さんが毎日jpの今週の本棚で書評を書いていました。目利きの眼は千里先まで見ることができるのでしょうか。やはりさすがと言わざるを得ません。

すべての新刊をくまなくチェックするのは至難ですから、気づいて時に探求書リストにメモをし、機会あるごとにチェックをする必要があります。それでも、モレがあったり、ダブりがありますので、あと運を天にまかせるしかありません。

私もこの本の中身を読んでいないので、何とも言えませんが、カバーデザインを見ただけで、これは素晴らしい本だと思いました。秀逸なデザインを見るために書店に行こうと思いました。

本も見た目の時代であれば、その本の内容に相応しいカバー、装幀であってほしい。これは誰しも願うことです。さて、このカバーデザイン(装幀)をしたデザイナーは誰なのでしょう。また確認をしておきます。

この本を見つけ、記事を書いていると、すぐに思い浮かんだのが小尾俊人著『本は生まれる。そして、それから』(幻戯書房)です。これも素晴らしい装幀の本です。これはぜひ手にとって見てください。

なにより、帯・ケース・本体と、すべてが三位一体まとまって、なお洗練されています。こういう本づくりって、今では難しいのかもしれません。しかし、こうした本づくりにこそ、本を愛する人の真摯で丁寧で入念な仕事を見ることができます。

先にこの本を読んで、ずっとほしいと思っていましたが、値段が3800円で、ちょっと二の足を踏んでいました。昨日この本を古本屋さんで偶然見つけ、値段もまずまず、即!購入しました。これで探求書の一冊に横線を引きました。

さらに同じ著者、出版社でもう一冊。本は小尾俊人著『出版と社会』(幻戯書房)です。これはまだ読んでいませんが、なかなかいいカバーデザインの本なので紹介しておきます。こうした本が書棚を埋めると、そこには至福の読書空間が生まれます。

しかし、時代は

「本棚を見れば人がわかるって言うけれど、これからはスマホのアプリでわかる時代なんだよ」(11/12朝日新聞朝刊「記者有論」名古屋本社報道センター神田大介さんの記事から一部引用)

だそうです。

そして、スマホの現状はというと、

パソコン並みの多機能を誇るスマートフォンスマホ)が日本を席巻している。市場調査会社によると、今年10月に販売された携帯電話の70%がスマホ。グーグルの調査では、利用者が導入したアプリ(ソフト)は平均45本で、世界30カ国中1位。米英や台湾の2倍に近い。(同記事より)

といいます。

本は生まれる。そして、それから          出版と社会