読んでみたい! 川崎賢子『彼らの昭和』

今日はお彼岸なので、お墓参りに行きました。そのまま新宿に出て、食事をして帰ってきました。新宿は相変わらず多くの人が行き交って賑やかでした。今月またまたの3連休。墓よりも街へ、山へ、海へなのでしょう。

帰途、古本屋に立ち寄りましたが、今日はなんとも当たりがない。拾えたのは次の4冊でした。

途中で『文庫本ベスト1000』を読み始めました。冒頭、堀江敏幸さんが現代小説日本編ベスト50を書いています。その中で、長谷川四郎さんの『鶴』(集英社文庫)を取り上げ、次のように解説をしていました。

3. 長谷川四郎『鶴』(集英社文庫
満州に進行してきたソ連軍を前にしての、国境での緊張。ここに収められた「鶴」や「帳徳義」の主人公たちは、みな申し合わせたように死の危険を冒して国境を越えようとする。彼らの行為が明確な目的意識に基づくものではなく、越境への強い≪欲望≫に由来していることを、長谷川四兄弟の生涯にからめて明らかにした川崎賢子『彼らの昭和』(白水社)とあわせ読むと、『鶴』や『シベリア物語』の面白さは倍増するだろう。p9

家に着くと、パソコンのスイッチを入れ、Winが起動、新宿図書館の予約画面で、川崎賢子『彼らの昭和』*1を即、予約しました。読んでみたい! そのとき直感しました。

鶴 (講談社文芸文庫)        鶴 (講談社文芸文庫)

*1:昭和という時代の表現者として特異な足跡をのこした長谷川兄弟。空間の、思想の、官能の《越境》を繰り返した彼等は何を欲望したのか、私たちは何を見失ったのだろうか。二十世紀日本文芸の地層に新たな回路をきりひらく書き下ろし評論。 (「BOOK」データベースより )