永江朗さんの『暮らしの雑記帖』から

今日はたまたま永江朗さんの『暮らしの雑記帖』(ポプラ社)を拾い、電車の中で読んでいました。その中に、「ブックダーツとスターバックス」というエッセイがあり、ブックダーツの話から読書の仕方について書いてありました。

まず、ブックダーツとは何かを知りませんでした。ネットで検索すると、ブックダーツのページや画像が表示され、はじめてブックダーツとは何かを知りました。しかし、眼で知るのと、手で知るのとでは大いに違います。文房具屋さんで見てみたいと思いました。

このブックダーツも気になりましたが、それ以上大江健三郎さんの小説に出てくる読書法が気になりました。永江さんが同書「線を引きながら読む」でそれを取り上げています。

大江健三郎さんの長編小説『さようなら、私の本よ』(講談社 2005年)を読んでいたら、著者自身の分身のような作家が、鉛筆で線を引きながら本を読み、もう使い終わると、妻や娘が消しゴムで線を消して古本屋に売る、という話が出てきた。p51-52

永江さんも鉛筆で線を引きながら、本を読んでおり、線を引くなら鉛筆である、ということを力説しています。自身、ステッドラーのホルダーに6Bの芯を入れて先を尖らせず使っているといいます。

読書の仕方にも個人の流儀がありますので、あれがいい、これがいいとはいえませんが、私も線を引くなら鉛筆です。本をあまり汚したくないので、最近は鉛筆の線引から付箋を利用することが多くなりました。( これからはブックダーツか?)

付箋といえば、永江さんが豊崎由美さんの読書法を取り上げ、次のように書いています。

もっとも、豊崎由美さんは付箋を見返しにたくさん貼っておいて、それを貼り付けながら読むのだそうで、なにもブックダーツでなければできないわけではない。p50

本の見返しに付箋を貼る、これはいい方法です。即実践できる読書法なので、やってみようと思います。自分流の読書法は創意工夫と試行錯誤の中で確立していきます。いいことはどんどん活用したいと思います。

永江さんの『暮らしの雑記帖』を読んでいると、「暮しの手帖」の松浦弥太郎さんに通じるものを感じます。ともに暮しを大切にし、そこを原点として発想、思考、行動しています。

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