井筒俊彦という哲学者

新聞の日曜版の読書欄に目を通しました。が、これといって気になる本がありませんでした。当たり外れは必ずあるもので、それに一喜一憂していても仕方がありません。

いま手元にある切り抜きは朝日新聞が書評で取り上げた若松英輔さんの『井筒俊彦 叡智の哲学』(慶応義塾大学出版会)です。評者は北海道大学准教授の中島岳志さんです。

評者中島さんは書評の最後に次のように言っています。

我々も「誤読」を恐れず、井筒と対峙すべき時を迎えているのではないか。本書は井筒再評価を促す快著である。

という本なのですが、この「井筒俊彦」さん、イスラム関係の学者であることくらいしか知りません。評者中島さんは井筒さんのことを次のように書いています。

井筒俊彦は世界的イスラーム学者として知られる。しかし、彼の射程は驚くほど広い。ギリシャ哲学、言語学ロシア文学、神秘哲学、ユング心理学老荘思想、仏教、インド哲学・・・・・。彼は30を超える言語を理解し、気になる本すべて原書で読んだという。司馬遼太郎は、彼のことを「20人ぐらいの天才らが1人になっている」と評した。

この説明を読んだだけでも、凄い学者であることは明らかです。井筒さんの人となりを、その哲学を、知りたくなりました。まずは図書館に予約をしました。果たして歯が立つのかどうか?


井筒俊彦―叡知の哲学        読むと書く―井筒俊彦エッセイ集