クラフト・エヴィング商會『おかしな本棚』#1

クラフト・エヴィング商會の『おかしな本棚』の中に、「金曜日の夜の本棚」というエッセイがあります。

その冒頭、こう書いてあります。

いえ、森の奥など参りません。都会が何よりです。映画館で昔の映画を見たあと、中古レコード屋で安いシングル盤を何枚か買い、どこかでさっとコーヒーを飲んだら、行きつけの本屋に寄って自分の部屋に帰る。それが金曜日であれば申し分ありません。

この「金曜日」を「水曜日」に変えましょう。そうすると、「水曜日は古本の日」という私の水曜日になります。映画、音楽、茶店、そして本。そうコーヒーとタバコも小道具として必要です。

金曜日の本屋で、金曜日の本を買って帰り、金曜日の寝台にもぐりこんで、仕事を忘れる。ひたすら本の世界に没頭する。

そして。

最後に―。金曜日の素晴らしいところは、たった一週間で、またやってくること。

となると、いっそ「水曜日は古本の日」という記事を、「水曜日、古本屋で」か「水曜日の本」に変えたほうがいいかもしれません。

この『おかしな本棚』 という本、いいですね。一気に読むには惜しい気がします。じっくりと、ゆっくりと、のんびりと読みたい1冊。そう読むべき本でしょう。何と言っても、本へのあたたかな思いが行間から溢れています。

そしていつの間にか、クラフト・エヴィング商會の本の世界でゆっくり愉しんでいます。あれも読みたい、これも読みたい、勢い古本屋に行きたくなります。こんな本とのひととき、最上です。

おかしな本棚



※この本の表紙の画像を掲載しようと、画像をチェックしていたら、なんとこの本を6回も取り上げ、4/21にはクラフト・エヴィング商會の本の一覧表まで掲載しました。あまりに多すぎます。それほど関心があったという証左でしょうか。