坪内祐三さんの新刊『書中日記』

書店に行き、新刊を見ていると、まったく知らない本を見つけ、驚くことがあります。これだけ、ネットで本の情報をチェックしているにもかかわらず、坪内さんの最新刊『書中日記』(本の雑誌社) を見落としていました。

坪内さんが書いている「週刊文春」の書評や「本の雑誌」の日記は必ず読んでいます。この『書中日記』も「本の雑誌」に掲載された2006年2月から2011年3月までの日記をまとめたものです。これで、何冊目になるのでしょう。

今日、この日記を一気に読み終えました。あとには付箋が林立しています。坪内さんの日記であれば、いつものことです。例えば、2010年の2月17日(水)の日記に付箋を貼りました。

二月十七日(水)
 夜、今日の午後新宿の紀伊國屋書店で買って来た井出彰『伝説の編集者・巖浩を訪ねて』(社会評論社 2008年)を読む。素晴らしい本だ。初出(図書新聞)で時々目を通していたが、ここまで素晴らしい作品だとは思わなかった。こういうフィクションこそ何らかの賞で顕彰すべきなのに。

これで、井出彰『伝説の編集者・巖浩を訪ねて』(社会評論社 2008年)を読みたくなりました。坪内さんのこの日記にしても、書評にしても、本好きの読書促進剤です。が、それが効き過ぎるので、困っています。

この日記が発行されると、付箋の数が増え、購入する本が増えます。この薬、随時飲むことができますが、少々飲みすぎるきらいがありまず。服用には注意を要します。この点、十分ご承知の上、お試し下さい。

書中日記        伝説の編集者・巖浩を訪ねて―「日本読書新聞」と「伝統と現代」