新書大賞2011決定!

2月9日に「新書大賞2011」(中央公論新社主催)が発表されました。そのランキングは次の通りです。

同大賞は今年で4回目を数え、1年間に発行された約1500点の新書から「最高の一冊」を決定するもの。書店員、書評家、各社の新書編集者ら70人が投票、選考しました。

大賞 村山斉『宇宙は何でできているのか』幻冬舎新書
2位 藻谷浩介『デフレの正体』角川oneテーマ21
3位 内田樹『街場のメディア論』光文社新書
4位 大竹文雄『競争と公平感』中公新書
5位 瀧井一博『伊藤博文中公新書

宇宙は何でできているのか (幻冬舎新書)     デフレの正体  経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)     街場のメディア論 (光文社新書)



単行本や文庫に比べて、注目度が低いのが新書です。その新書にスポットを当て、もっと新書を知り、買い、読んでもらいたい。というのが新書担当の本音ではないでしょうか。

「新書大賞2010」はというと、ベスト5は次の通りでした。

大賞 内田 樹『日本辺境論』新潮新書
2位 野中広務辛淑玉 『差別と日本人』角川oneテーマ21
3位 岡田暁生『音楽の聴き方』中公新書
4位 猪木武徳『戦後世界経済史』中公新書
5位 田中克彦ノモンハン戦争』岩波新書

日本辺境論 (新潮新書)     差別と日本人 (角川oneテーマ21 A 100)     音楽の聴き方―聴く型と趣味を語る言葉 (中公新書)



やはりここ2年、個人では内田樹さんの頑張りと出版社では中央公論社の踏ん張りを感じます。主催が中央公論社ということを差し引いても。

意外だったのは岩波新書 ・・・・・学生の時から、一番読んでいた新書・・・・・ が、昨年はランクインしていましたが、今年は入っていません。

新書は本として一番短命。単行本や文庫と比べると、そういえます。時代が経過すればするほど、残る新書は当然少なくなります。それは新書が一番時代に関係しているからです。

時代と超えた新書が数多く出てくれば、状況は一変するでしょうが、ここが新書の難しいところ。時代に関係すればするほど、新書として残らない。時代と関係しなければ、新書として読まれない。

どう自立した新書を生み出していくか。あるいはそれが新書の宿命と割り切るか。何かを創る場合、どちらつかずの中途半端が一番まずい、と思います。