愛がタブーの時代 !?

< ところが伊藤さんは、『20世紀エロス』のハード・コア・フィルムを論じた文章のなかで、都市全体が「敏感でやわらかい性感帯」になり、それと並行して「セックスが身体から抜け出てゆく」ような現在にあっては、「最大のタブーはもはやセックスなどではなく、≪愛≫なのかもしれない。セックスは今や、そうした愛の親密さや感情的な交感を避ける口実になっているのではないだろうか」と問いかけている。身体はここ数年のうちに、さらにこうしたぎりぎりの閉塞状態にまで追いつめられたのだろうか ・・・・・ 。>

これは伊藤俊治さんの『愛の衣裳 ― 感情のイコノグラフィー2』(ちくま文庫1994年06月23日発行)についての鷲田清一さんの解説からの引用です。

裸体の森へ―感情のイコノグラフィー (ちくま文庫)          20世紀エロス



この解説の引用の中で、次の伊藤さんの言葉が印象的でした。

「最大のタブーはもはやセックスなどではなく、≪愛≫なのかもしれない。セックスは今や、そうした愛の親密さや感情的な交感を避ける口実になっているのではないだろうか」

性がタブーの時代から愛がタブーの時代へ、明らかに変わってしまったのではないか。現状、愛を語ること自体、極力少なくなっている。いや、本当は、触れること出来ない状態になっている。

事態はさらに深刻に。男女の関係の閉塞状態がさらに深まっていると言えるでしょう。

男と女の間には、深く暗い河があるのですが、深さは相変わらず深く、いつもの暗さはなく、河が妙に明るく、そしてどちらも舟を出そうとしていません。舟を出さないと、この閉塞感は打破できないのですが ・・・・・ 。

「アセンス書店日記」に「St. Valentine's Dayに『Hugs & Kisses』」という記事が掲載されていました。これを見て ・・・ 初々しくもあり ・・・ 微笑ましくもあり ・・・ 羨ましくもあり ・・・ 2/14はSt. Valentine's Day。

Hugs & Kisses (Tiny Folios)