毎日新聞 2010年「この3冊」より

毎日jp > エンターテインメント > 毎日の本棚 > 今週の本棚 で、2010年「この3冊」にたどり着けます。毎日新聞が今年の3冊を紹介するのが一番はやいのではないでしょうか。

朝日新聞は12月19日の日曜版に書評委員お薦め「今年の3点」が掲載されていました。しかし、Webにはまだ掲載されていません。

毎日新聞の「この3冊」の中から特に気になった3冊・・・中国文学者 井波律子さんの3冊と作家 堀江敏幸さんの3冊・・・を紹介します。

井波律子(中国文学者)
[1]鶴見俊輔『言い残しておくこと』(作品社・2520円)
[2]渡辺京二『黒船前夜−ロシア・アイヌ・日本の三国志』(洋泉社・3045円)
[3]池内紀『ことばの哲学−関口存男のこと』(青土社・1890円)

言い残しておくこと     黒船前夜 ~ロシア・アイヌ・日本の三国志     ことばの哲学 関口存男のこと



堀江敏幸(作家)
[1]池内紀『ことばの哲学−関口存男のこと』(青土社・1890円)
[2]高木敏次『傍らの男』(思潮社・2310円)
[3]関口良雄『昔日の客』(夏葉社・2310円)

ことばの哲学 関口存男のこと          昔日の客



また、黒岩比佐子さんの『パンとペン−社会主義者堺利彦と「売文社」の闘い』(講談社・2520円)を毎日新聞は日本近代文学研究者の持田叙子さんが、朝日新聞はエッセイストの平松洋子さん、二人の方が取り上げていました。

パンとペン 社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い



注目はというと、朝吹真理子さんの『流跡』(新潮社・1365円)でしょうか。鴻巣友季子さんが「今年の3点」で取り上げ、<今後最も注目される作家の記念すべき第一作になるだろう。>と評しています。

さらに、毎日新聞では丸谷才一さんがこの作品を取り上げ、次のように書いています。

<何しろ文章がすばらしい。言葉の使い方がすっきりしていて、今どきの若い娘とはとても思えない。これで小説性が寄り添えば大したものだが、行間の気配から察すると、多分それも何とかなりそうな予感がある。>

流跡



この朝吹さんの本も読みたいのですが、いま黒岩さんの本を読み始めたところです。まずは黒岩さんの遺作を読みたいと思います。そして次に、朝吹さんの本を。