「ギャンブルを読む」本の紹介
毎週土曜日か日曜日に、一週間分の新聞を整理します。最近は横着をして、簡単に済ませています。その日読む新聞の記事と数日後に読む新聞の記事と時々微妙に食い違ったりします。浅読みの勘違いか、深読みのかんぐりか。
ニュース(新聞記事)は楽しい、いい話ばかりではありません。半数以上が楽しくない、わるい話ばかりです。それでも、大見出しを眺めて終わる人、新聞の隅から隅まで読む人、折込広告までを徹底して読む人など、さまざまです。
そういう人たちがいる以上、新聞はまだまだ延命すると思います。休刊日などはいつもの新聞を読むということができないため、何か手持ち無沙汰なのです。これは新聞愛読者が常に感じることです。
新聞記事の中で、小さなコラムでもいい話が書いてある場合があります。はっとした驚き。そんな体験、ありませんか。新聞の価値は1面の記事や社説がいいかどうかだけではありません。その人の体温の感じられる記事も大事です。
この記事はどうでしょう。今日12/4(土)の朝日新聞の記事の中で、本紙ではない付録「Be」に掲載の「再読 こんな時 こんな本」というコラム。今日の記事の中で、これが一押しです。
今回は「ギャンブルを読む」というテーマで新聞記者がブックファースト新宿店の中村亜見子さんにインタビューしています。
そして、「ギャンブルを読む」場合、どういう本を読んだらいいかを広く深く紹介しています。これが実にまとまっていました。内容も十分読ませるものになっていました。
沢木さんの『深夜特急』のコメントで <旅もまた、よく人生にたとえられる。負けるリスクを取らない人生はツアー旅行のようなものか。>と言っています。
また記者自身が選んだのはドストエフスキーの『賭博者』です。
<勝負には二通りある。一つは紳士の勝負であり、もう一つは欲得ずくの成り上がり者の勝負、ありとあらゆる世俗人種の勝負である。>
記者は言います。
<勝ってもおごらず、負けても楽しめという心構えである。>
これは確かになのですが、この言葉を実践している人がどれだけいるのか。ギャンブル、賭け事は正当が通じない、妖しげな、不気味な闇の世界です。だから、その世界を知ったら、抜けられなくなるのです。
青天井と蟻地獄。これがギャンブルです。