佐藤泰志という作家
今日新聞を整理していて、10/20付朝日新聞で佐藤泰志という作家を取り上げた記事を読みました。ブログでも取り上げられていたので、ご存知の方も多いと思います。
その記事は「幻の作家 作品映画化」という見出しで、その佐藤さんの小説を原作とした映画「海炭市叙景」が12月から全国で上映されるといいます。また、それを記念して、佐藤さんの友人たちが国分寺で上映記念イベントを開くそうです。
佐藤さんは北海道函館出身で、大学進学のために上京し、国分寺に住んでいました。地元を舞台にした作品を発表し、5作品が芥川賞の候補になりましたが、精神の不調に苦しみ、41歳で自殺しました。
10/19のこのブログでも、小谷野敦さんのおすすめの3冊を掲載しました。
(1) 佐藤春夫 『この三つのもの』 講談社文芸文庫
(2) 小島政二郎 『眼中の人』 岩波文庫
(3) 加能作次郎 『世の中へ 乳の匂い』 講談社文芸文庫
この中で、荒川洋治さんが加能作次郎さんの作品を再評価しています。これと同じように、坪内祐三さんが「週刊文春」10/21号の「文庫本を狙え!」で佐藤泰志さんの作品を取り上げていました。
こうした作家の再評価やいい作品の発掘などやるべきことは沢山あります。本の世界はそれだけ高さも、幅も、奥行きもあることを知ってもらいたいと思います。しかし、日々積読本の背表紙を眺めているだけ。遅々としてHPの更新もままなりません。
人、時とともに忘れられ、人、人より思い出す。こうした中で、いい人を、いい本を発掘し、再評価し、読書したいと思います。
余談ですが、今日古本市に行き、偶然にも上記の小島政二郎著『眼中の人』 (岩波文庫)を発見しました。グッド・タイミング! 早速購入しました。これは小島さんの「自伝的長編小説」であり、大正文壇史でもあるといいます。
また、先日から不調の amazlet ですが、ようやく復旧したそうです。担当よりその旨のメールをいただきました。ご自身でもブログ「amazlet サポートブログについて」を立ち上げたといいます。ソフトは常に現在進行形です。何かあったら、連絡を。
もうひとつ追加しておきます。ブログめぐりをしていて、「古書信天翁の日誌」と「赤ドリルの夢は夜ひらく」をこれもまた偶然見つけました。ともにノーマークでした。今日、アンテナ@四谷書房に追加しました。