毎日新聞 10/17 書評より

今日「新聞・TVで話題の本」で、10/17 毎日新聞の書評を見ました。書評本を一覧して、江國香織さんの3冊の本が気になりました。これは川上弘美さんが選んだ「今週の本棚・この人この3冊」の本でした。江國さんの本+川上弘美さんとなると、読んでみたくなります。


流しのしたの骨 (新潮文庫)     ホテルカクタス (集英社文庫)     とるにたらないものもの (集英社文庫)



次に、田村隆一全集。とうとう出ますか。今回は1が出版され、順次6巻まで出る予定です。田村さんの全集となるとぜひ欲しい! これは確かに待望の全集なのですが、問題は値段です。全集としてはそう高くはないと思いますが、購入するには強い思い切りが要ります。

<「荒地」からまっすぐ天空へ、さらに遥か大海へ、隠された光りと声を再発見する言葉の壮大な試み。戦後の焦土に刻まれた鮮烈な第一歩。歿後十二年(十三回忌)を迎え、ますます輝きを増す詩人・田村隆一待望の全集、第一巻ついに刊行。>

ひと通り、本と内容を読んで、読売新聞に移ろうかと思いましたが、どうしても気になる本がありました。それは次の1冊。<偶然は避けることができない。・・・(略)・・・ 偶然は想像力を刺激することによって、人生をより豊かなものにしている。>

  • 竹内啓 『偶然とは何か その積極的意味』 岩波新書 756円

いい人に出会う、いい本に出会う、いい音に出会う、いい絵に出合う、いい映画に出会うなど、出会いも偶然の要素が大きい。偶然の邂逅が必然の演出になることで、人は大きく変わります。偶然でもあり、必然でもある、この不思議な出来事は一体何であり、その積極的な意味は何なのか、読んでみたいと思いました。

それ以上に今回追加をしたかったのは「古本万歩計」の中にあった1冊です。

「新刊ニュース」11月号の「人気の著者が選ぶこの3冊!」のなかから、気になる人 ・・・ 岡崎武志さん、小谷野敦さん、関川夏央さん、長島有さん、古川日出男さん、保坂一志さん、町田康さん ・・・ の3冊を紹介しています。

小谷野敦
(1) 佐藤春夫 『この三つのもの』 講談社文芸文庫
(2) 小島政二郎 『眼中の人』 岩波文庫
(3) 加能作次郎 『世の中へ 乳の匂い』 講談社文芸文庫


気になった1冊は小谷野敦さんの、加能作次郎『世の中へ 乳の匂い』でした。加能作次郎さんという作家、ご承知でしょうか。

<加能 作次郎(かのう さくじろう、1885年1月10日 - 1943年8月5日)は、日本の小説家。
石川県羽咋郡生まれ。少年時代京都の叔父に預けられ、のち早稲田大学英文科卒。博文館に入社し『文章世界』の主筆として翻訳や文芸時評を発表、1918年私小説「世の中へ」で認められ、作家として活躍。1940年「乳の匂ひ」がある。1941年、クループ性肺炎のため58歳で死去。
長らく忘れられた作家だったが、荒川洋治講談社文芸文庫で『世の中へ・乳の匂ひ』を編集して再評価されつつある。>(ウィキペディアより)

荒川さんがこの文庫を編集し、再評価されつつある作家だと言います。荒川さんが編集をするということはそれなりの思いがあってこそ。であれば、なおさら気になります。

さて、この古くて新しい作家との出会いは、偶然なのか、必然なのか。

この三つのもの (講談社文芸文庫)     眼中の人 (岩波文庫)     世の中へ・乳の匂い 加能作次郎作品集 (講談社文芸文庫)