10月の新刊文庫と四方田犬彦の新刊
「文庫発売一覧」から10月の新刊文庫を見ました。どうもピンとくる文庫がなく、それでも読みたい文庫を挙げると、以下の3冊になります。
- 内田樹 『身体知−カラダをちゃんと使うと幸せがやってくる』 講談社+α文庫 10/20
- 鹿島茂 『怪帝ナポレオン三世』 講談社学術文庫 10/12
- 辺見庸 『しのびよる破局 生体の悲鳴が聞こえるか』 角川文庫 10/25 540円
いつもより少ない気がしますが、読みたい文庫がない以上はしかたありません。では今の作家をとなると、いささか距離を感じます。読む人がいなくなることはないと思いますが、しだいに少なくなるでしょう。
これは10月の新刊ではないのですが、9/28発売の 四方田犬彦『人、中年に到る』(白水社)が気になっています。
<「読者よ、わたし自身が、わたしの本の題材なのだ」 足の速さを競う時期は過ぎた。これからは少しずつ生き方に緩やかさを与え、しだいに無為の方へと身を向けさせるべきなのだ……。 新境地を迎えて綴る、四方田版『エセー』。書き下ろし! >
この中でなんと言っても<これからは少しずつ生き方に緩やかさを与え、しだいに無為の方へと身を向けさせるべきなのだ……。 >というコメントが効いています。
四方田さんも57歳になってくると、まさに老いに向き合う年齢です。新境地とは果たしてどんなものなのか。そしてこれからの着地点はどこなのか。これは一読しないとわかりません。だから、お楽しみは、いつも、これからなのです。