今泉正光『「今泉棚」とリブロの時代』

まずは「海文堂書店日記」より。<2010-09-16 海文堂のベストセラーは「詩」>とあり、「週刊奥の院」では次の本を紹介していました。

  • 今泉正光 『「今泉棚」とリブロの時代』 論創社

これは80年代に書店業界に新風を吹き込んだ「今泉棚」とそれを展開したリブロという書店の物語です。それはもうたいへん有名な棚で、パルコ文化/セゾン文化を象徴する出来事の一つでした。

田口久美子さんの『書店風雲録』の書評が葉っぱのBlog「さようなら、私のブログよ!」に掲載されていました。

<著者の田口久美子はリブロ池袋店長であったが、現在、ジュンク堂の副店長である。三十年を越えるキャリアを持つ全共闘世代の池袋名物オバサンに間違いないが、知的ミーハーとして自分を相対化しながら、結構、クールな目で記述>しているといいます。

パルコ/セゾン文化のトップ 堤清二、その文化戦略家 小川道明、<街場のポストモダンのシーンを演出した「今泉棚」の今泉正光>、西武カルチャーセンターの芥川賞作家保坂和志、洋書を販売していた評論家永江朗セゾングループにいた直木賞作家車谷長吉等。

ここに書かれている方々がパルコ/セゾンに関わっていたのです。それ以外にもリブロで育った書店員の方、古本屋の方が多いのにも驚かされます。それだけリブロの影響が大きかった証でしょう。

そうもうひとり、いま書き手として、大変に注目を浴びている三浦展さんもあの『アクロス』の編集長でした。そう列挙すると、かつての一世を風靡したパルコ/セゾン文化の影響力はいまだ残っているのです。

「今泉棚」とリブロの時代―出版人に聞く〈1〉 (出版人に聞く 1)

今泉正光さんの
 『「今泉棚」とリブロの時代』
論創社


書店風雲録     書店繁盛記     書店員のネコ日和

田口久美子さんの著書