茂木健一郎「ツイッター私塾」についてのメモ

茂木健一郎 クオリア日記」の6/19「ツイッター私塾」という記事を読み、考えたことをメモします。

茂木さんは情報化時代の大学の役割は<大学の役割は、すぐれた教員、すぐれた友人との出会いだろう>と言いますが、これは「人」の問題で、そう簡単に対処できる問題ではありません。

そこで、茂木さんは私塾を考えますが、この点についても<一番の困難の一つは、どのようにして人を「セレクト」するかである。誰でも入れるオープンなシステムを保ちながら、同時に、高度な部分で切磋琢磨できるようにする。そのような組織作りは、とても難しいということが経験でわかっていた>という難問があります。

そこで、ツイッターというツールを活用して、ネット上で仮想私塾を作ろうといいます。寄せられた質問に対して返答するというコミュニケーションするなかで、考え、学ぶというトレーニングセンターにしたいようです。

ツイッターには「劇場効果」がある。私と質問者のやりとりを横から見ていることで、多くの人が何かを感じ、学ぶことができる。そのフィードバックを通して、私自身も学ぶことができる>といいます。

またツイッターは140字という文字数の制約もあるので、<「指し示し」や「志向性」は伝えることができる。短く端的に表現するのは、お互い良い訓練になる>ということも効用としてあります。

茂木さんの「ツイッター私塾」の構想はどうでしょう。

誰にでも開かれているシステムで、なおかつ切磋琢磨できる組織づくり! これは本当に難しい。人の組織と時代がうまく合致するタイミングというものもあります。また一時一致しても、それをどう継続するかという問題もあります。

しかし、どんなに大変な状況であっても、試行錯誤の中にしか新しい可能性が生まれません。創意工夫の中にしか状況を変える力は生まれません。茂木さんが、ツイッター上で、「ツイッター私塾」を、どうやり続けるのかが課題です。
※下記写真、右が単行本、左が文庫本の表紙です。