巌谷大四『文壇ものしり帖』から

昨日巌谷大四『文壇ものしり帖』(講談社文庫)から文壇に関しての質問を2問掲載しました。その答えは次の通りです。

1. 日本ではペンネームというと、雅号、筆名、匿名の3種類があり、日本の近代文学で一番沢山ペンネームを使った人は誰でしょう。

私が調べた限りでという但し書き付きで、一番沢山ペンネームを使った人は森鴎外*1です。本名林太郎、別号鷗外漁火、千朶山房主人等 29ものペンネームを使っていたと言います。

2. 作家半村良ペンネームはどういう由来があるのでしょう。

半村良イーデス・ハンソンの大ファンで、その名をもじって、良(イーデス)半村(ハンソン)を逆にしたのだと言います。

ペンネームですが、それぞれに由来があるもので、これだけでも面白い「ペンネーム考」が書けそうです。本名との違いもこう並べると、妙に違和感を感じるのは私だけでしょうか。

 ペンネーム    本 名
  江藤淳    江頭淳夫 
  城山三郎    杉浦英一 
  丸谷才一    根付才一 
  藤沢周平    小菅留治 
  半村良    清野平太郎 

*1:森鴎外(本名林太郎)はの場合は二度目の妻志げ(一八八○〜一九三六)が小説家であり、先妻登志子の子で長男の於菟(一八九○〜一九六七)が随筆家(医者でもある)、志げの子で長女の茉莉(一九○三〜)が小説家で随筆家、次女杏奴(一九○九〜)が小説家で随筆家、三男類(一九一一〜)が随筆家である。正に作家一家である。>