50円文庫 in 新宿&神保町

天気のいい、午後の昼下がり、四谷から新宿まで散歩をしました。その途中、古本屋さんに立ち寄りました。その店の棚には「1冊100円 4冊200円」という表示がありました。

いつも立ち寄っていたのですが、当たりはそう多くなく、4冊買うのは至難でした。しかし、昨年から意外な本が紛れていることもあり、見逃せなくなりました。例えば、アンドレ・モロワ『文學研究Ⅰ・Ⅱ』(新潮文庫)や正宗白鳥『讀書雜記』(角川文庫)など。

今回もきだみのるさんの『気違い部落−気違い部落周遊紀行』(新潮文庫)を見つけました。冨山房百科文庫のものは知っていたのですが、新潮文庫のものは初めて見ました。もう見るからに経年のヤケがあり、まさに黒っぽい本です。

奥付を見ると、

昭和二十六年九月二十六日 発行
昭和三十二年十一月五日  六刷

とあります。

文庫の最後にある目録をみると、樋口一葉にごりえたけくらべ』や森鴎外高瀬舟・山椒太夫』等はなんと40円。この文庫はそんな時代の1冊です。この本がどういう経路で、いまここにあるのか。それを考えると、なんとも不思議です。

[今日の購入本−新宿]

次に、新宿から御茶ノ水、そして神保町へ。打ち合わせを済ませて、信山社へ行き、『図書』と『読書のすすめ』をもらい、古本屋街を見て廻りました。

別に意識していたわけではないのですが、神保町でも50円文庫を見つけました。その古本屋さんの店頭には「文庫・新書 1冊100円 2冊100円」と明示してありました。

この棚は入口にあり、ヤケ・ヨゴレ本もあり、雑然と並べられていました。その中で、新品同様の文庫もあり、それを含めて4冊購入しました。

[今日の購入本−神保町]

50円文庫でこれだけ愉しめれば、もう十分でしょう。

新教養主義宣言 (河出文庫)          要するに (河出文庫)



本の背中 本の顔 (河出文庫)          20世紀の精神―書物の伝えるもの (平凡社新書)