太田和彦 新刊 『居酒屋百名山』
太田和彦さんの『居酒屋百名山』(新潮社)の紹介が今日の日経新聞の読書欄に載っていました。著者は国各地の居酒屋さんを訪ね歩き、20年。その中から自薦で100店の居酒屋を紹介しています。これは太田さんの著作の中でも<私の代表作であり集大成>だそうです。
太田さん自身、この本は単なるグルメガイドではないと断り、 日本中の居酒屋を訪問・紹介した中で、<居酒屋の良しあしは酒や肴だけでは、はかれない。重要なのは居心地>だといいます。
<それがどのように作られ、維持されているのか。それを解明するまで何度も足を運び、じっくりと飲む。店の人や常連と交流する。その中で見えてくる、店の本質を表現することに挑んだ>そうです。
まさに、居酒屋さんの良しあしは居心地といいます。これは居酒屋さんだけでなく、物品の売買、サービスの提供するところでは必ず言えることです。古本屋さんも同様です。居心地のいい古本屋さんをどうつくるか。
そういえば、今日読んだブログの中で、管啓次郎さんの「Mon pays natal」では次のように書いてありました。これもひとつの居心地の良さなのでしょう。
<それにしても青山ブックセンターの最近の展開はすごいよ。きょうは韓国人の若者のグループが、デザインや写真のコーナーを、真剣に議論しながら見入っていた。なるほど、韓国や台湾、中国からの、尖鋭な若者たちの旅の目的地になるのは、ぜんぜん変じゃない。東京のABCではない、すでに東アジアの代表的書店のひとつになっている。
これからも心のふるさとであってほしいABC。>