日高敏隆さんの文庫

過日動物行動学者の日高敏隆さんがなくなりました。新潮社の『波』1月号を読んでいると、羽田節子さんが「追悼 日高敏隆先生」という追悼文を書いていました。

日高さんはユクスキュルの『生物から見た世界』(岩波文庫)を高く評価し、その本と出会ったのが、中学生といいます。

生物から見た世界 (岩波文庫)



<動物が世界をどう見ているかを語ったユクスキュルの視点の重要性は、しかし長年理解をされてこなかった。先生は晩年、人間をふくめた動物の主観的な認識をイリュージョンと名づけて、新しい認識論を展開された。アゲハチョウがなぜ同じ道を飛ぶのか、アゲハの気持になって考えていたあの日の少年は、今その動物観、自然観を普遍化して世に問うたのである。>

その本『セミたちと温暖化』が1月新潮文庫として出版されました。これで、日高さんの文庫は次の4冊になります。

春の数えかた (新潮文庫)       ネコはどうしてわがままか (新潮文庫)


人間はどこまで動物か (新潮文庫)       セミたちと温暖化