こんな日があっても

最近猛暑、激暑、酷暑、という言葉を聞きません。朝夕めっきり涼しくなっています。このまま秋になるような気配も感じます。「終わらない夏」が来る予感もあるのですが、どうでしょう。

今日ブログめぐりをしましたが、目立った記事がありませんでした。何を紹介しようかと、めずらしく悩んでしまいました。こんな日もあるって、ふっと呟いています。

いま読んでいる本は昨日同様、薄田泣菫『艸木虫魚』(岩波文庫)です。身辺の人・物・事についての晴朗で端正な随筆です。随筆(エッセイ)は短文でまとまりがあり、携帯本として最適です。

また、今日帰りに通りの古本屋さんに立ち寄りました。いつものように文庫の棚を眺めていましたら、いい本がありました。が、私の前に人がいて、すぐに手を伸ばすことができませんでした。

その人が目当ての文庫を取らないようにと念じつつ、素知らぬ顔をしてその付近の棚を見ていました。前の人が少しズレたので、棚の前に行き、その文庫を手に取りました。

その文庫は全体にヤケがあり、カバーも汚れ、シミもありましたが、見れない読めないわけではないので購入しました。こういう本がちくま文庫にあったとは知りませんでした。

著者は式場隆三郎他ですが、次の方々です。式場隆三郎赤瀬川原平、式場隆成、藤森照信、岸武臣。

<消滅後半世紀を経てなおもわれわれを魅了し続ける幻の怪建築への、渾身のオマージュ>(紹介文より)

この文庫を手にぱらぱらとページをめくると、そこにはなにか不思議な世界が広がり始めています。「狂人が建てた化物屋敷」にようこそ。そこに入るのは週末にしようと思います。

定本 二笑亭綺譚 (ちくま文庫)