金田一京助『片言隻語』より

<誰が言い出したも分からない、ほんの一寸した切っ掛けで口に登ったのが、いつのまにか擴がって深く根を張っていたり、そうかと思えば、あゝでもない、こうでも無いと、散々考え抜いた挙句の名案も、往々附いてくるものが無くつて、そのままになってしまう氣まぐれ者は『言葉』である。>