加藤周一『高原好日』を読む

先日買った本の中で、いま加藤周一さんの『高原好日』(ちくま文庫)を読んでいます。この本は信濃毎日新聞に掲載されたもので、加藤さんの知人友人について軽井沢を舞台に書き綴られています。

その人数、海外の人も含め61名。成田龍一さんは「地縁と知縁の二○世紀交友録」と題して解説を書いています。まだ読了していませんが、その筆致にはそれらの方々への愛着と敬意を感じます。

加藤さんは20世紀という時代の中で、またさまざまな人たちとの交流の中で、自分を、日本を、世界を考えてきました。人は去り、時代は遠くといいますが、加藤さんはすでに亡く、その著書が残っています。

本書の中で『羊の歌 わが回想』『続 羊の歌 わが回想』(岩波新書)よく引用されています。この新書も併せて読むことで、さらに加藤さんの生きた時代と人間関係を深く理解できるのではないでしょうか。

高原好日―20世紀の思い出から (ちくま文庫)      私にとっての二〇世紀―付 最後のメッセージ (岩波現代文庫)