ふるほん文庫やさんの280円文庫
出版業界紙の「新文化」に次の記事が掲載されていました。これは思い切った価格変更であるとともに購入者にとってはうれしいニュースです。
<絶版の古本文庫を書店に卸しているふるほん文庫やさんは2月から、1280円や880円、480円など従来の値付けを廃止し、プレミアムのつく文庫もすべて280円に統一する(カバーなしはその半額)。現在“280円展開”は9店舗で実施、近く60店での稼働を目指す>
そしてその理由を谷口雅男会長は次のように語っています。
<都市部では従来の価格でも売れるが、地方での売行きは鈍っている。アマゾンのマーケットプレイスに出品されている『ゼロ円本』『一円本』に、個人消費が集まっているようだ。希少本を安値で売るのは断腸の思いだが、日本一安い絶版・品切れ文庫を提供して対抗していく>
不況が深刻になってきますと、消費者は価格に敏感になってきます。良い商品を安くという低価格競争の時代です。この政策変更はアマゾンへの対抗策だといいます。<断腸の思い>という言葉にそうせざるを得ない事情を感じます。
東京では東京堂書店で280円文庫が売られています。さらにカバーなしは半額といいます。今まで欲しくてもちょっと手が届かなかった方々はぜひ行ってみてください。掘出し物の絶版・品切れ文庫を見つけることができるかもしれません。