マイク・モラスキー「ジャズ喫茶という異空間」

アンテナに追加する新しいページを探していたところ、「Webちくま」の中にマイク・モラスキーさんの連載がありました。題名は「ジャズ喫茶という異空間 '60年代-'70年代の若者文化を歩く」。

マイク・モラスキーさんの著書というと、『戦後日本のジャズ文化――映画・文学・アングラ』(青土社)でしょう。この本は戦後史のなかで映画、文学、アングラという視点から日本文化について語っています。

当時、図書館でこの本を見つけ、読み始めましたが、一気に読んでしまいました。その時の印象がかなり鮮明に残っています。まずジャズとかアングラという言葉が懐かしく、あの頃を振り返ってしまいました。

社会においても、自分についてもいろいろなことがあった時代・・・特に60年代から70年代は・・・でした。戦後日本の中であの時代は何であったのか。自分史を重ね考えさせられました。まだ清算していないことが数多くあります。

同じ著者が今度はジャズ喫茶という視点でで60年代-70年代の若者文化を取材して書いています。「Webちくま」の連載は12回で終了しましたが、アーカイブで1回から読むことができます。

まだ頑張っているジャズ喫茶もあり、すでにないジャズ喫茶もありますが、あの不思議な心地よい空間はなんだったのでしょう。いまは続けていても、いつの間にか店もなくなり、知らないうちに人もなくなり、いつしかそういう時代がありましたということになります。

しかしその時代を語り継がねば、その時代のことが分かりません。そうした意味で、マイク・モラスキーさんの本とこの連載をぜひ一読してもらいたいと思います。
 

戦後日本のジャズ文化―映画・文学・アングラ