パヴェーゼとビートルズ

とにかくいい天気でした。午前はのんびりと過ごし、今週の新聞を読み返しました。日々忙しく、じっくり新聞を読む時間もなく、過ごしていました。時間に追われず時間を使うこと。こうした時間も大事なことを実感しました。

新聞を整理していると、2/3朝日新聞夕刊の「追憶の風景」という記事で、イタリア文学者の河島英昭さんが取り上げられていました。その記事からの引用です。

<『美しい夏』を含む長編3部作でストレーガ賞受賞の直後。『月と篝火』も話題になった50年8月。パヴェーゼは大量の睡眠薬を飲んで死んだ。42歳の誕生日目前だった。戦争の影に覆われた時代を、叙事詩を思わせる独特の筆致で描いて評価を得、絶頂期にあった作家の自死にイタリア中が揺れた。>

この文章を読んで、思い出したのは<ビートルズは12枚のアルバムと1枚のEPで世界をひっくり返した>こと。パヴェーゼビートルズがやったことを自らの作品でやってしまったのではないか。そんな推測をしています。

パヴェーゼの不可解な死の原因はなにかそんな風に思えてなりません。河島訳の『パヴェーゼ文学集成』全6巻(岩波書店)の刊行も昨年から始まりました。パヴェーゼの作品を読んでみたくなりました。
 

パヴェーゼ文学集成〈1〉長篇集 鶏が鳴くまえに

 
こんなことをしているから、読む本ばかりが積み上がり、読書の時間がないという結果になります。机の上にも本が積まれ、徐々に空いたスペースが少なくなり、あとしばらくすると、占拠されそうな形勢です。

そして今日もまた、性懲りもなく、本を買ってしまいました。さてこの本どこに置こうか。


大好きな本 川上弘美書評集