眠れない夜から眠れる夜へ

1/25日経新聞の読書欄よりのメモ。

  • エルンド・サマーズ-ブレムナー著『眠らない』(青土社

<二十世紀に入り、不眠は病気となった。現代社会は「今ここ」を偏重するあまり、あるがままの時間の流れに身を委ねることをいっそう困難にする。不眠は治療の対象となり、不眠の増加は製薬会社のターゲットを急増させた。グローバルなリアルタイム性が、睡眠の自己管理を要求するが、むしろ睡眠こそは、「忘れる」ことを通じて自己を更新するチャンスとなるのだ、と著者は主張する。>

書評は精神科医斎藤環さん。冒頭<本書の副題は不眠の文化とあるが>から始まり、不眠について、上記のように明快に著者の主張を要約しています。不眠とはこういうことなのです。

「今ここ」の偏重と「クローバルなリアルタイム性」により、睡眠の自己管理ができず、不眠症の人が増えています。しかし、睡眠=忘れること=自己更新のチャンスととらえることで、気が楽になる人が多いのではないでしょうか。

眠れない夜から眠れる夜へ。日々の睡眠は自己更新のチャンスです。そう考えて、安らかな眠りへ。書評の引用の引用で恐縮ですが、こうしたすっきりした主旨の紹介は久しぶりなので、ここで取り上げました。