気になる本3冊あるいは4冊

今日ブログめぐりをして、気になる本が2冊ありました。また坪内さんの文春の書評より1冊、計3冊を記しておきます。

まずはブログから「空想書店 書肆紅屋」紹介の平井一麥『六十一歳の大学生、父野口冨士男の遺した一万枚の日記に挑む』 (文春新書)と毎日新聞の書評欄からの松本昌次『わたしの戦後出版史』(トランスビュー)の2冊です。

前者は<会社員人生を卒業した後に、何をやるか。著者が選んだのは、父の膨大な日記をパソコンに入力し、父と母の人生を理解することだった>(文春新書HPより)父野口冨士男の日記*1をパソコンに入力することにより、両親の日々と対面するという内容。*2

後者は<綺羅星のごとき作家・学者たちとの交流、驚くべき編集の極意、―戦後史を刻印する数多くの名著を手がけた「生涯現役編集者」が、現代の荒涼たる出版の世界を撃つ。貴重図版230点収録>。単行本で図版230点も気になります。

わたしの戦後出版史


さらに、「週刊文春」先週号の「文庫本を狙え!」で坪内祐三さんが『澁澤龍彦書評集成』(河出文庫)を取り上げていました。文庫で1470円はと驚きながら、納得のいく一冊と書いていました。

この文庫は1958年から最晩年の1987年にかけて発表された多数の書評を集大成した文庫オリジナルだといいます。そうであれば、坪内さんの納得も理解できます。

同様に高い一冊で武満徹武満徹エッセイ選 言葉の海へ』(ちくま学芸文庫)があります。これも1575円です。気楽に買うには高いか。それでも武満さんの文章はそれだけ、それ以上に値するかどうか。購入はこの判断によります。

最近文庫の値段が高くなっているような気がします。紙代等の値上がりで仕方のない状況もありますが、手軽に文庫を読むということが難しくなりつつあります。ならば、「ブ」へということになるのでしょう。

澁澤龍彦書評集成 (河出文庫 し 1-52)     武満徹エッセイ選―言葉の海へ (ちくま学芸文庫 タ 26-2)

*1:厖大な野口さんの日記といわれているものをどう入力し、読み解いていくのか興味があります。また野口さんの日記自体を読むことができないものか。これが公開されたらと思うのは私だけでしょうか。

*2:この内容を調べようと、文藝春秋のHPに行きました。「文春新書」のページを探し、内容を読んでいくと、「立ち読み」のボタンがありました。それをクリックすると、本体の一部が表示され、立ち読みができます。これが書見台に本を置いて読んでいるという感じを得ました。ひょっとしたら、これからの本の未来形かもしれません。そうであっても、私は手にとる本を選びます。