『植草甚一 ぼくたちの大好きなおじさん』

手元にある本は『植草甚一 ぼくたちの大好きなおじさん』(晶文社)。その冒頭にある「スクラップ・ブック語録」を読んでいると、こんな引用を見つけました。

<本というものは不思議で、売れない本を買ってやると、本自身がよほど有難いとみえ、あたかも犬のように、道先案内をしてくれるのである。最初はいった店で、買うのを止めてしまった日は、いくら捜し回っても掘出物がないことが多い> スクラップ・ブック6「ぼくの読書法」より *1

だからこそ、最初の一冊を思い切りよく買うことが必要なのです。これは岡崎武志さんもどこかで書いていましたが、本を買うときは弾みとか勢いが大事です。

また、次の引用。

<マイルスとジャズとの結びつきは、さしずめヘミングウェイアメリカ文学、あるいはピカソと美術との結びつきと似たようなものだ> スクラップ・ブック15「マイルスとコルトレーンの日々」より

この本は植草語録ばかりでなく、山崎まどかさんから近代ナリコさんに至るファンレターも掲載しています。これを読むと、まだまだ植草甚一さんの根強い人気を感じます。その他フォトアルバムもあり、CDも付いています。

今日はそのCDを聞いてみようと思います。

*1:これを岡崎武志さんは同書で取り上げ、萩原魚雷さんはそれを「植草ジンクス」と呼んでいました。