『荒地詩集』のこと
ねじめ正一さんの力作『荒地の恋』を読み、「荒地」の同人に関心を持っていました。先日新宿から荻窪をめぐり、その「荒地」の本を見つけ購入しました。それが『荒地詩集』(国土社)でした。
- 『荒地詩集1953』
- 『荒地詩集1954』
- 『荒地詩集1955』
- 『荒地詩集1956』
この四冊が手に入るとは予想もしていませんでした。荒地出版社からの出版のものとはちがい、国土社が再刊したものです。古本にしてはヨゴレもなくきれいでした。同詩集の1951、1952、1957、1958の四冊もあればよかったのですが、残念ながら見つけることができませんでした。
この詩集の目次を見ただけでも、数多くの詩人が参加し、ひとつの時代を創ったということがいえると思います。同人(参加者)は次の通りです。
鮎川信夫、石原吉郎、伊藤尚志、加島祥造、川口昌男、
衣更着信、木原孝一、北村太郎、楠田一郎、黒田三郎、
佐藤木實、城侑、鈴木喜緑、高野喜久雄、高橋左近、
高村勝治、田村隆一、中桐雅夫、中江俊夫、永田助太郎、
野田理一、疋田寛吉、富士原清一、堀越秀夫、堀田善衛、
牧野虚太郎、三好豊一郎、牟礼慶子、森川義信、吉本隆明
また以前から、鮎川信夫さんや田村隆一さんの本を蒐集しています。今年の3/5に「田村隆一『若い荒地』」でも書きましたが、1972年『詩と批評C』は購入したのですが、このシリーズにはまだ次の本があります。
- 1969年『詩と批評A』
- 1970年『詩と批評B』
- 1973年『詩と批評D』
- 1978年『詩と批評E』
いつだったか、古本展示即売会で、この全部をセット販売していました。7000円位していたと思います。そうあの時買っておけばと振り返っても、時すでに遅し。その時を逃すと、機会はすぐに訪れません。このタイミングが難しい。
これらの本と出会うのを待ち焦がれているのですが、そう簡単ではないようです。焦らず、諦めずの気持ちを持ちながら、探し続けるしかありません。古本蒐集には辛抱が必要です。
最近出版された「荒地」に関する本として、再録になってしまいますが、ねじめ正一さんの『荒地の恋』(文藝春秋)と田村隆一さんの『若い荒地』(講談社文芸文庫)の二冊を紹介します。