今日は小さく薄い本

昨日は厚く、高い本を取り上げましたが、今日は小さく、薄い本を取り上げます。どの街にもいい古本屋はあるもので、それがないといい街とは言えない、ということを松浦弥太郎さんがどこかで書いていました。

確かにそうだと思いますが、そうとは言い切れないのが現状です。それを嘆いたところで何かが変わるわけでなし。いい古本屋がなければ、そういう街に、またそういう古本屋に行けばいいだけのことです。

そんなにこだわることもないのですが、人のこだわりはこれまた厄介なしろもので、一筋縄ではいきません。単純なようで複雑、複雑なようで単純。そんなこだわりを一蹴したいのですが、そう簡単にはいかない手ごわい相手です。

今日街を歩いていて、ふらっと立ち寄った古本屋で、次の2冊を購入しました。買うつもりではなかったのですが、性懲りもなく現れては消え、消えては現れる、あのこだわり虫のせいかもしれません。

前者は古代から現代に至るまでの文学で、どう桜を取り上げ、描いてきたかをテーマにした文学史です。後者は京都の老舗旅館「俵屋」の舞台裏を描いた作品です。単行本で持っていたのですが、売れてしまったので、改めて文庫を購入しました。

俵屋の不思議     俵屋の不思議 (幻冬舎文庫)
※左が単行本、右が文庫*1

*1:こうして見比べると、やはり単行本の方が質感がいい気がします。価格もちがうので、当然ですが、本は単行本が基本だと思います。そのデザインを活かし、文庫化してもらうといいのですが、これまた「諸般の事情」で無理なのかもしれません。文庫は文庫で独自の装丁でもいいのですが、単行本の装丁を超えるものがなにかほしいと思います。