河内一郎『漱石、ジャムを舐める』

今日、朝刊を読んでいると、漱石についての面白い文庫が紹介されていました。先日新宿の「J」に行って、この文庫を手に取りました。買おうか買うまいか思案したのですが、先に買いたい本あったので見送りました。

手に取ったのは食という独自の視点から漱石について書いていたからです。こうした漱石論はめずらしいのではないでしょうか。それは河内一郎『漱石、ジャムを舐める』(新潮文庫)です。

新聞の紹介は「食品会社に長年勤めた著者による、食と物価に焦点を絞った新たな漱石論」だと言います。そうしたキャリアの著者だからこそ、この視点が生まれたということに合点がいきました。

また、文庫には漱石存命中の食文化年表と物価表も収録されています。願ったり叶ったり。定価620円にしてはかなり充実しています。新刊はまだ書店にあるはずです。もう一度見てみたいと思います。