【読書メモ】「作者の死」

内田樹の研究室 4/1 「映画について書き出すと止まらない」より

<テクストはさまざまな文化的出自をもつ多様なエクリチュールによって構成されている。そのエクリチュールたちは対話を交わし、模倣し合い、いがみ合う。しかしこの多様性が収斂する場がある。その場とは、これまで信じられてきたように、作者ではない。読者である。読者こそは、あるエクリチュールを形づくるすべての引用が、一つとして失われることなしに、書き込まれる空間そのものなのである。テクストの統一性はその起源のうちにはなく、その宛先のうちにあるのだ。>(ロラン・バルト「作者の死」)