外山滋比古さんからのメッセージ

4月から朝日新聞の1行の文字数が変わりました。そのせいで、どうもまだ馴染めない。新聞もいろいろと創意工夫し、読者に読みやすい紙面づくりしています。しばらくすると慣れてくるので、少し我慢が必要になります。

今日の文化欄には「外山滋比古さんから、新社会人になる君へ」という一文が掲載されていました。振り返ると、この時期、山口瞳さんの「新入社員諸君!」を読んできました。社会人になってからも、それを読むと、初心を思い出したものです。

今回は、外山さんが「朝、予定表を作りなさい」と書いています。そして朝の効用をW・ブレイクの「朝、考えよ」を引用して、次のようにいいます。

<思考には朝がいい。睡眠中によけいなことが整理されていて朝の頭は清々しくよく働く。夜いくら考えてもわからなかったことが、朝になってみれば、難なくわかることもある。朝考えるくせをつければ、知らず知らずのうちに独創的になる。>

さらに、うまく忘れること、口が固いこと、人間の幅を拡げるには違った専門、異業種の仲間をつくることが一番だといいます。最後に新社会人へのエールとして、「ゆっくり急げ」(ローマのことわざ)と結んでいます。

こうしたことに気づいたのも、いい年になってからだそうですが、外山さんが言っていることは新社会人が心がけることばかりです。それが即実行できるかどうかは別としても、先人の言葉をまずしっかりと受け止めてもらいたいと思います。

思考の整理学 (ちくま文庫) (ちくま文庫)     「読み」の整理学 (ちくま文庫 と 1-3)