久しぶりの神保町

久しぶりに神保町に行きました。早速所用を済ませて、数軒の古本屋をめぐりました。コミガレも開いていましたが、目ぼしいものはなし。隣りの田村書店で、次の3冊を購入しました。

この井上新書は東京の千代田区にある(あった?)建築関係の出版社井上書院の新書です。先日藤森照信さんの『日本の近代建築(上)』を買ったので、点が線になりました。

その他も廻りかったのですが、そうする時間がなく、書泉の一階で『波』と『読書のすすめ』(第9集・第10集)をもらい帰りました。帰途、『波』をぱらぱらと見て、3・4月の新刊で次の3冊が気になりました。

[4月新刊]

[3月新刊]

  • 椎根 和『popeye物語』(新潮社)


なかでも、中野翠さんの『popeye物語』の書評にやられました。書評がよかったので、この本が読みたくなりました。いい書評はその本への入口をはっきり示してくれます。

<木滑は新しい雑誌には、新しい言葉の開発、新しい文体が絶対に必要だという考えを持っていた。編集部の誰かが、新しい文体を発見すれば、それだけでも雑誌は売れるという信仰のようなものが、木滑家の子供たち(注 編集者たち)までもゆきわたっていた>

<ポパイ以降、文字・文書をパワーの源として成功した雑誌は生まれていない。文字・文章をパワーと考えない編集部がつくる雑誌は衰退するしかない>

時代と読者と編集部を結ぶ糸は「新しい文体」。そうしたパワーのある雑誌はそれ以降あるだろうかと考えています。