本のことあれこれ

[1] Asahi.com BOOKで、「出版再生、カギは? ヨーロッパの取り組み」を取り上げていました。特にドイツとイギリスの出版業界を取り上げ、比較していました。例えば、次のようなこと。

<書店の本を選ぶ能力や、大型店偏重の配本の見直しも必要だ。日本は返品自由の委託制がほとんどで、本を返せるから「選択眼」が育たず、売れ筋は大型店に集中する。独英などでは、返品も認めるが買い切りが原則。書店はリスクを負うが粗利益率も35%程度(ドイツ)で、日本の2割強よりはるかに高い。>

買い切り原則の「責任販売制」の普及を。これは確かに。本について、なかでも世界の出版については知らないことばかり。勉強不足を痛感しました。

[2] 2/17朝日新聞の出版広告のなかで、丸谷才一さんが「民族の本音」と題して、講談社文芸文庫の推薦文を掲載していました。

文庫の横綱は岩波と言いつつ、講談社学芸文庫を推奨しています。<その特質は近代日本文學の読むべき者をよりぬいてゐること>とし、<危機に際会したときの民族の本音が詰まってゐる>といいます。

丸谷さんの<みなわたくしの枕頭の書、車中の好伴侶>として挙げていた文庫は次の通りです。

白秋青春詩歌集 (講談社文芸文庫)    金色の死―谷崎潤一郎大正期短篇集 (講談社文芸文庫)
     
あらくれ (講談社文芸文庫)     山躁賦 (講談社文芸文庫)


なにより江戸時代の後期に日本にも文庫に似た「小本(こほん)」というものがあったことを知りました。それが江戸の「文庫」のようなものだったようです。

[3] 毎日新聞の「今日の本棚」で川本三郎黒岩比佐子著『編集者 国木田独歩の時代』を取り上げていました。毎日jpの記事をご覧下さい。それから先に取り上げた「みずず」の1・2月号でも、黒岩さんの本を取り上げていた方がいました。しかし、付箋を付けなかったので、あとで探すのが難。参った!

2008.02.17記