「椎名誠10年説」について

今日は新聞の整理をしました。ゆっくりと新聞を読む時間もなく、思いついたら新聞が山積みになっていました。一ヵ月の山を崩しながら読み始めましたが、如何せん新聞が多過ぎ、最近2週間の新聞を読み返すことにしました。

その中で、気になった記事が朝日新聞2月1日の夕刊に掲載されていました。それは作家椎名誠(63)さんが書いている「人生の贈りもの」です。聞き手の質問に答えて、次のように語っていました。

<「椎名誠10年説」ってのがあってね。10年で何でも飽きちゃうんですよ。勤めていたデパートニューズ社も10年、本の雑誌社も10年、映画制作も10年・・・。そしてこの10年は「遊びの時代」です。60歳を超え老人の遊びを体系づけようと思い始めました。生産活動はやめようってところですね。アハハハ。 >

もう椎名さんも60を超え、63歳といいます。もう会社員であれば、定年退職という年齢です。あの椎名さんがそういう年齢になってしまったということは、あとは推して知るべしでしょう。

その椎名さんは「椎名誠10年説」で生きています。10年ごとやっていることに飽きてしまい、職を変わるわけですが、それを楽しんでいます。変われる自体幸せだと思いますが、楽しむという気持ちがなければ続きません。

<本はもう300冊出しているらしいです。粗製乱造の人生だからねえ。締め切りの原稿は、いまも月22、23本ありますよ。朝4時に起きて、顔洗ってお茶飲んだら、昼まではずっと書いていますね。16時ぐらいには酒飲む態勢に入って、寝るのは0時から2時かな。>

本の冊数もすごい数ですが、月の原稿もこれまたすごい。このくらい当たり前にやらないと、「椎名誠10年説」を実行できないのかもしれません。こうしたこともプロの作家だからできるのでしょう。

作家の日常は大変だと思いますが、それでも好きなことをやっているのだから、羨ましくもあります。椎名さんが、ここ10年「遊びの時代」に、「老人のあそび」をどう体系化するのか。大いに期待をしたいところです。