出久根達郎式新刊の買い方

出久根達郎さんの『本の背中 本の顔』に、出久根さんの新刊の買い方が書かれていたので、紹介します。出久根さんの場合は外出がきらいなので、新刊は宅配便で取り寄せているといいます。ではその購入方法はというと、次の通りです。

① 新聞や雑誌の出版広告、また新刊案内冊子などを見て、ほしい本を   メモする。あるいは広告を切り抜く。
② 毎日メモや切抜きを、準備していある紙袋に入れる。袋には「買いた   い本」と明記。
③ 一ヶ月後に袋から取り出す、一枚ずつ丹念に読む。
④ どうしてもほしい本は、別の袋に入れる。
⑤ その袋を一週間後に開け、もう一度メモを見て、よし、と別の自分が   命じた時、初めて注文する。 

<最初の検討は一ヵ月後が程々で、これ以上早くてもだめ、遅くなると関心が薄れるし、第一、本が無い>といいます。

本の買い方についてなにか絶対基準があるわけではありません。各自が各々の方法を確立し、納得して本を購入すればいいのです。他の人の購入法を参考に、よりよい買い方を試行錯誤することになります。この出久根式新刊の買い方も大いに参考になると思います。

因みに、私の場合もメモや切り抜きをしますが、それを机のサイドの壁に貼り、1ヶ月毎に、見直し、購入するものとしないものを区分します。どうしても迷う場合は図書館に予約して、まずそれを借りて読みます。それで買うか買わないかを決めます。

出久根さんは衝動買いをしないためにこうするようですが、本との偶然の出会いもあると思います。そのときは直感に従います。その偶然が必然であることを信じ、書店めぐりをします。確かに当たり外れはありますが、そんな愉しみも必要ではないかと思います。