芥川龍之介の「書物の位置」

今週は書き込みが一日遅れになっています。いつものペースに戻さねばと思っていますが、追いつくことができません。しかし、このままで一日遅れですと、今日のブログが昨日のブログになります。

そこで、今日は出久根達朗さんの『本の背中 本の顔』(講談社)を読書中。この本は古本についての話が多数収録されています。

その本の「書物の位置」の中に、次のように書いてありました。

<芥川(龍之介)は読書家で、かつ蔵書家でもあった。本の重みで家の根太が下がるほど蔵していた。
若い堀辰雄に、「私の書棚にある本で、読みたいものがあれば使いなさい。遠慮をしてはいけません」と言った。自分だけで楽しむ愛書家ではなかった。
湯河原に静養中、また何々という本が「床の間のそばの芭蕉布の戸棚の中に」ある、と書物のありかを具体的に手紙で示している。芥川の頭には、自分の全蔵書の位置が、刻み込まれているようである>

ということで、芥川龍之介の記憶力は相当なものであったらしいのですが、いま積み上がっている本のなかから、必要な本をすぐに探し出せるほど、本の位置を記憶していません。

したがって、当店の場合は注文が来ると、その本を探すのにひと苦労します。棚番号を付けてあるのですが、背表紙の見える本はよしとして、積読本から探すのがひと苦労です。

時に積木崩しになります。そうなったら最後、必要な本を探し、また積みあげます。その本が一番下の場合は最悪です。それ以上に、探している本がない場合、自棄になってしまいます。

芥川龍之介のような記憶力があれば、本の管理も楽になるのでしょう。しかし、相当の記憶力はすべての人にあるわけではありませんので、常に蔵書の管理をする必要があります。

これがきちんとできれば、いいのですが、そうは簡単な問題ではありません。家に書庫があればいいのですが、そういうわけにもいきません。

4月になったら、「四九発駆会」と「一箱古本市」もありますので、徐々に本の整理を、と思っています。

本の背中 本の顔