本よみうり堂 2007年の3冊
読売新聞は購読していないので、日曜版の読書欄をみることができません。が、同紙のサイト「本よみうり堂」で、本紙読書委員が選ぶ2007年の3冊を読むことができます。所変われば品変わる。委員によって、これだけ違いがあるものかと嘆息してしまいます。
それだけ、本の世界はそれだけ多様であるということではないでしょうか。その多様性のなかに新しい可能性を孕んでいます。その中から、何を選択するか。自分自身の選択力が問われます。
例えば、作家 川上弘美さんは今年の3点。
この中から、一冊を選べというと、川上さんが「偏愛」する河野さんの本でなく、茂木さんが評価する丸谷さんのエッセイでもなく、この一冊。
最相さんは『絶対音感』(小学館)や『青いバラ』(新潮社)などで、ノンフィクション作家としての確かな力量を示しました。その最相さんがどう星新一さんを描くのか。この点に一番関心があります。
読書欄を読んで、こういうことばかりやっているから、どんどん積読本が増えてしまいます。しかし、「生きることは読むことだ」とまでは言わないまでも、こうした好奇心だけは失いたくない。そう思っています。
※2007年、最相葉月さんは『星新一 一〇〇一話をつくった人』で講談社ノンフィクション賞、日本SF大賞、大佛次郎賞を受賞。
<文庫の発行部数は三千万部を超え、今なお愛読される星新一。一〇〇一編のショートショートでネット社会の出現など「未来」を予見した小説家には、封印された「過去」があった。出生の秘密、終生つきまとう“負の遺産”、創作の舞台裏と生き残りをかけた戦い。没後十年、関係者一三四人の取材と膨大な遺品から生涯をたどる傑作ノンフィクション!>