辞書を使っていますか

辰濃和男さんの著書『文章の書き方』と『文章のみがき方』をともに読みました。ともに文章を書く上で、大いに参考になります。どちらかというと、最新刊の本『文章のみがき方』の方がより洗練されているように感じました。

この新書は一部重複するところもありますが、「文は心であ-る」の実践編です。その中で、どうしても触れたいのが辞書の話です。

辞書。考えてみると、いまではあまり引く機会が少なくなりました。PCで文章を書く時は、わからない言葉があると、ネット辞書で言葉を調べます。これが便利なので、当然辞書を引く機会も減ります。

しかし、辰濃さんは同書「1.辞書を手もとにおく」で、「辞書は、生涯の師」と言い、自分の使っている辞書を紹介しています。

  • 『角川必携国語辞典』
  • ※『朝日新聞の用語の手引』
  • 『逆引き広辞苑
  • 三省堂類語新辞典』
  • 『日本類語新辞典』

これらの中から手もとにあるのが、※印のものです。逆引きや類語辞典は『角川類語新辞典』のみです。それ以外にも岩波国語辞典、新明解、広辞苑などが書棚に並んでいます。そう並んでいるだけです。

PCで文書を書く時、ネット上の辞書を使用していますが、それだけでいいのかでしょうか。まず「辞書を引く」こと。そのことを通して、慣れきった日本語を見直すことになり、また言葉の意味と繋がりの理解が深まり拡がります。

この新書を読んで、「辞書は、生涯の師」とまでにはいきませんが、もっともっと辞書を活用たいと思うようになりました。

文章のみがき方 (岩波新書 新赤版 1095)