あの文庫発見!
あの文庫発見! それは、奥本大三郎さんの『壊れた壺』(集英社文庫)です。ずっと探していましたが、どうもチャンスがなく、手に取ることができませんでした。
ぶらり立ち寄った「ブ」で、今日ははずれかと思い、棚を見回していると、この文庫が並んでいました。その文庫を探そうと思っていたわけではなかったのですが、勇んでその文庫を抜きました。
あまり欲しいと思ってばかりいると、本の女神は素知らぬぶりをするものです。意識せず、何気に見ているときに、「天啓」を得ることが多いのです。そしてあった、やった、ということになります。
ご承知の通り、奥本さんはフランス文学者であり、日本昆虫協会会長も務め、昆虫についての著作も多くあります。その趣味が高じて、東京・千駄木に「ファーブル昆虫館」までオープンしました。
奥本さんの本をはじめて読んだのは、『虫の宇宙誌』(集英社文庫)でした。文章がうまく、どんどん新しい虫の世界に引き込まれ、あっという間に読み終わったことを今でも鮮明に覚えています。
それから少しずつ奥本さんの本を集め始めました。集める気持があると、不思議と集まってくるものです。徐々に単行本、新書、文庫と増えていきました。(集める気持が強すぎると、集まりませんので、気長に待つことも大事ですね)
これで、奥本さんの文庫と新書はほぼ手中に、あとは大著『ファーブル昆虫記〈1〉』(集英社文庫)の文庫をどう手に入れるかです。