古書日月堂のこと

中央公論』の「古本生活入門」を読んでいると、女性がやっている個性的な古書店として、次の3店が紹介されていました。

この3店とも行きましたが、それぞれに独特な個性があり、店舗コンセプトも明快です。

「古書日月堂」は「1920-30年代の都市風俗、デザイン・芸術運動関係を中心に」、また「キントト文庫」は「駄菓子屋のような本屋」、「海月書林」は喫茶店の中にある古書店。ネット書店をやっているのが、「古書日月堂」と「海月書林」です。

この中でも、独自路線を走っているのが、「古書日月堂」の佐藤さんです。同店サイトを見ても、時代は1920−30年代ものを中心に販売しています。

同店の紹介によりますと、「流行ものは店にない」のが伝統、店においてある商品は「何なんだかね。」、「店長はひねくれもの」だそうです。この佐藤さんがひねくれていなかったら、ただの古書店になってしまいます。これこそが、同店の個性です。

以前、「古書日月堂」に伺いましたが、あいにくお休みでしたが、なぜか中を覗くことができました。道順はわかるのですが、店を見つけるのが? そうマンションに同店の旗が出ています。それも一つの目印になります。

同店はマンションの2階でしたので、普通のマンションに入るようにして、入口へ。警備員さんがいますので、警備員さんに「古書日月堂」さんに行きたいといい (これは念のためで、言う必要はないのかもしれませんが)、2階へ上がって下さい。

また営業日及び営業時間についても注意が必要です。いつ開店しているかをチェックください。これまた念のため。

「古書日月堂」のサイトを見ますと、取扱い分野を絞り込み、それに関連する本や品を広くではなく深く取り揃えています。こうした方向が専門書店としてのひとつの方向であることは明らかです。

同店の場合はそうした方向に、佐藤さんの目利きと知識と企画力が加わり、独特な専門古書店となっているように思います。この「古書日月堂」をじっくり研究すると、これからの専門古書店の新しいヒントが見つかるかもしれません。