新潮文庫8月の新刊から

8月1日の新聞を見ていると、新潮文庫の8月の新刊が掲載されていました。他のブログでもこの2冊を何人かの人が紹介していました。だからというわけではないのですが、書店で手に取りたい文庫です。

  • 堀江敏幸『雪沼とその周辺』
  • 石田 千『月と菓子パン』

堀江さんの本は川端康成賞、谷崎潤一郎賞木山捷平賞の3賞を受賞した単行本の文庫化。石田さんの本は「編集者 中川六平さん」でも紹介しましたが、これも手元に置いておきたい1冊。

雪沼とその周辺 (新潮文庫 ほ 16-2)     月と菓子パン (新潮文庫 い 86-1)


新潮文庫の「人生で二度読む本」も出版されました。これからも名作が復刊していくようです。昨今いままで文庫であったものがいつの間にか棚から消え、新作ばかりが棚に並ぶということが当たり前になっています。

絶版の名作を読もうとすると、講談社文芸文庫になるのを待って、いい値段で購入して読むか、古本を探して読むかのいずれかでした。古本ですと、予想外の高値で購入しなければなりません。それが今回の新潮文庫の復刊で、そこそこの値段で読めるようになります。この点は大いに期待しています。

新潮文庫の名作といっても、そのすべて持っているわけではありません。例えば今回の林芙美子さんの『風琴と魚の町・清貧の書』はかつて文庫としてあったのでしょうが、私の書棚にはなく、書店で見てみたい1冊です。

「人生で二度読む本」のターゲットは団塊の世代なのでしょうが、どれだけヒットするかはしばらく様子を見てからの判断となります。時に抗いながら生き延びた名作がこうした形で読めることは本好きにとって朗報です。