開高健、三浦展、竹中労

昨日のブログに2つも書き込みましたので、昨日のジュンク堂行きについては今日のブログとしました。それにしても、いまいましい台風です。身構えていたにもかかわらず、軽くかわして、太平洋上へ。肩透かしの一日でした。(これは昨日のこと)

昨日雨の中、新宿武蔵野館で映画「傷だらけの男たち」を見る予定でしたので、その前にジュンク堂新宿店に立ち寄りました。先日のブログでも取り上げた開高健さんの『日本人の遊び場』(光文社文庫)を購入するため。

まずは光文社文庫の棚へ。そこで文庫を見つけると、それを持って、各社の文庫の棚を見て廻りました。文春文庫の棚で、今月の新刊を見ていると、ふと高島俊男さんの『お言葉ですが・・・』を買いたくなりました。

高島さんの文庫がほとんど揃っていました。しかし持っている文庫が?で、まとめ買いもできす、悔やみました。あるうちに揃えないと、またいつなくなるかわかりません。

他には何かないかと見ていると、目に入ったのが三浦展さん*1の『団塊世代の戦後史』(文春文庫)でした。あのヒット『下流社会』の著者である三浦さんが、克明なデータに基づき、団塊の世代の戦後史について書いてました。この2冊を持ち、レジに。

開高さんの文庫を見ていると、これが「開高健ルポルタージュ選集」の一冊目。これ以降は次の通り続刊されるそうです。

  • 『日本人の遊び場』
  • 『ずばり東京』
  • 『過去と未来の国々』
  • 『声の狩人』
  • サイゴンの十字架』

この中で、手元にないのは最後の『サイゴンの十字架』だけです。これだけは買おうと思います。また解説者*2にもよりますが、光文社文庫で揃えたいという思いもあります。

それにしても、なぜいま開高健なのでしょうか。

なぜと言えば、昨日の朝日新聞の朝刊に、「竹中労は終わらない」という記事が掲載されていました。これまた、なぜいま竹中労なのか。そしてなぜ終わらないのか。*3

記事を読んでいるなかで、吉田司さんが「インターネットで全世界の情報に一人で立ち向かわなければならない今、時代を従わせようとする竹中的力*4へのあこがれが出てくるかもしれない」と言っていますが、どうもしっくりこない。

新聞の記事よりなにより、樹木希林さんの竹中さんについての言葉のほうがはるかにいいと思いました。関心のある方は新聞掲載の全文を読んでください。

(前略) 魂がきれいで、自分がまっとうだと思うことのために闘った人だったと思う。
 芸能界の搾取構造を批判されたけれど、搾取を承知したうえで、逆にすごく強い芸を生んでいる芸人たちもいる。竹中さんは、芸能界は自分と同じレベルまで浄化されるべきだと思い込んじゃったのでは。そんな若々しい「愚かさ」も含めて、懐かしい人です。

この方が竹中さんを言い当てている気がします。では終わらない竹中労さんを継承しているのは誰でしょう? 意外に樹木希林さんかもしれません。

四谷書房のサイトを更新しました。ご覧下さい。

*1:文庫の著者紹介を見ますと、「消費社会研究家」、大学卒業後、パルコに入社、あの「アクロス」の編集長を経て、三菱総合研究所に入社。1999年に「カルチャースタディーズ研究所を設立したそうです。

*2:今回の『日本人の遊び場』の解説は開高健さんと親交のあった菊谷匡祐さんです。『開高健のいる風景』など、開高健さんについての著作あり。

*3:それ以上に、朝日がなぜ竹中労なのか、という疑問のほうが大きい。単に時代が、世代が変わったのか。そうかもしれない、そうでないかもしれない。

*4:個人の強靭さと反骨の批評。これが彼の力だと思うのですが・・・・・。