ドストエフスキーの季節?

日曜日の日経新聞の読書欄「文壇往来」で編集委員の浦田憲治さんが「ドストエフスキーの季節 テーマと倫理観に今日性」という記事を書いています。冒頭から「ドストエフスキーの季節が巡ってきたようだ。」と言っています。

光文社古典新訳文庫の『カラマーゾフの兄弟』が三巻で異例のヒットをし、九万二千部売れたそうです。また安岡治子訳の『地下室の手記』もついても、初版一万五千部でしたが、近々増刷予定とか。

さらにまた、大江健三郎他『21世紀 ドストエフスキーがやってくる』(集英社)が好評だそうです。これは44名の作家によるドストエフスキー論。それでも、いまなぜドストエフスキーなのか。

浦田憲治さんがいうように、いまを考える上で、ドストエフスキーの取り上げたテーマと倫理観が有効なのかもしれませんが、どうも釈然としません。新訳で読みやすく、リバイバルしているのか。思考が表層から深層に向かう兆候なのか。

カラマーゾフの兄弟1     地下室の手記